
梅酢でつくるイワシのマリネ
三寒四温と言われるこのシーズン、一雨ごとに温かく過ごしやすくなってきました。温度変化が激しいと、自分のペースで体調を整えるのも難しいと感じることもしばしば。そんな時こそ、食べ物の力を借りて健やかな毎日を過ごせるようにしておきたいものです。暖かいシーズンになってくると決まって食べたくなるのが、「酢の物」。酸っぱい食べ物を食べると、なんだかカラダにもやさしい気がするので積極的に食べるようにしています。
今回は梅酢を使って、いつもの一品にも、おもてなし料理にも活躍する「梅酢でつくるイワシのマリネ 」のレシピをご紹介します。スーパーでもよく見かけるイワシ。“鮮度が落ちるスピードが早いお魚代表”ですが、酢を使うマリネレシピなら、2〜3日程保存もできる作り置き料理に早変わり。忙しい毎日でも手軽にお魚が食べられる一品になります。さらに酢にこだわれば、酸味の強弱や風味の違いなど、色々バリエーションも楽しめます。
前の晩に仕込んで、お手軽に
あらかじめイワシは手開きで捌きましょう。自宅でももちろん簡単にできますが、お魚が苦手な場合は、無理なくお魚屋さんで購入する際に捌いてもらっても◎プロに頼めば、自宅のキッチンも汚すことなく、気軽にお魚料理も楽しめます。私はいつも自宅のまな板で手開き派(ちなみに手開きの方法はyoutubeで勉強しました。)。内臓をしっかりと取り除くのがポイント。捌き終わったら塩を振りかけて30分ほど放置。余計な水分がでてきたら、きれいに拭き取り、いよいよ調理スタートです。
保存容器にキッチンペーパーを敷いて、その上にイワシ、ニンニク、ディル(フェンネルでもOK)を重ねて、最後はキッチンペーパーを被せます。こうすることで満遍なくイワシにマリネ液が触れるようになり、しっかりと漬けることができます。容器は匂いの移りにくい、ホーローやバットなどがオススメです。
今回はムソー「有機梅酢(白)」をマリネ液に使います。酸味もフルーティで酸っぱさのなかにまろみがあり、イワシとの相性もぴったり。米酢などでももちろん作れますが、米酢の方が梅酢に比べて酸味が強いので、個人的にまろやかな酸味の梅酢を使うレシピがお気に入りです。
マリネ液を保存容器に注いで、しっかり漬け込みます。一晩寝かせれば、次の日には出来上がり。朝起きたらもうマリネは出来上がっています。朝起きるのも楽しみになるし、待ち時間を感じないので、マリネ は前の晩に漬け込むのが私の定番。日中に漬けた場合には、半日は寝かせるようにしましょう。
付け合わせを工夫してちょっと豪華なマリネに
一晩漬け込んだイワシは、ほんのり白くなり内側の身はほんのりピンク色。シンプルにこのままオリーブオイルをたっぷりかけて食べても美味しいのですが、今回は野菜をたっぷり使った付け合わせと一緒に楽しみます。
細かく刻んだパクチーと玉ねぎに塩を少々まぶしただけの簡単な付け合わせ。ちょっとたっぷりめに作っておけば野菜もたっぷり、イワシだけだったマリネにボリューム感が出ます。野菜も一緒に楽しめるので、ちょっとしたサラダの様な感覚でバランスも良く仕上がります。
トッピングに、小さめに切ったキウイスライスとレモンの皮を削って散らして。レモンの皮がまるでミモザの花の様になり、一気に春らしさが。レモンの皮は、ノーワックスの国産レモンが安心でオススメ。レモンピールの爽かな香りがふわっと際立ち、フォトジェニックな一皿になりました。
食べる直前にほんのちょっとレモン汁を絞ると、味にメリハリがでてより美味しく楽しめます。いつもの食卓の一品としても、お酒のあてにも。どんなシーンでも活躍できるマリネが完成です。
アレンジしても美味しさそのまま
イワシをおろす時に、皮を剥いたイワシも実は一緒に漬けておきました。皮なしのイワシマリネを手で適当な大きさにちぎって、付け合わせのパクチー玉ねぎと一緒に焼き立てパンの上に。ちょっとおしゃれなオープンバケットになりました。
バケットやフランスパンに乗せればおもてなし料理のフィンガーフードにもなり、取り分ける必要がなく便利です。にんにくが使われているのが気にならなければ、朝食にもぴったり。
今回使ったマイワシはこれからがシーズン、付け合わせをアレンジして色々なマリネを楽しんでみてはいかがでしょうか。酸っぱいお料理を食べて元気を出して、これからの気持ちいい春のシーズンを迎えましょう。
梅酢でつくるイワシのマリネ
【材料】(2~3人分)
・マイワシ 2〜3匹(手開きで捌いておく)
・にんにく 一片(スライス)
・フェンネル 2束(ディルでも)
・塩 適量
・キウイ 1/2個(薄くスライス)
・レモン汁 少々
・レモンの皮 少々(削ったもの)
(A.マリネ液・材料)
・水 100ml
・有機梅酢(白) 大2
・きび糖 大1 1/2
・塩 大1
(B.付け合わせ)
・パクチー 2束(みじん切り)
・玉ねぎ 1/2個(みじん切り)
・塩 少々
【作り方】
(イワシ下ごしらえ)
①捌いたマイワシに塩を充分にまぶして30分置いておく。
②マイワシから出た水分を全てきれいに流して、水分を拭き取る。
(付け合わせ下ごしらえ)
①玉ねぎは新玉ねぎではない場合は水にさらした後、水分をとる。
②Bの材料を全て混ぜ合わせて30分くらいおいておく。
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①保存容器にクッキングペーパーを敷いて、その上にマイワシ・にんにく・フェンネルを重ねる。(フェンネルは葉の部分をちぎって)
②上にさらにイワシを重ねる場合は、クッキングペーパーを間に挟み、1と同じく重ねていく。
③Aの材料を全て混ぜ合わせたマリネ液を保存容器に、イワシがしっかり浸る様に注ぐ。
➃冷蔵庫で一晩寝かせる。
⑤イワシを一口サイズに切、Bの付け合わせと一緒にお皿に盛り付ける。
⑥キウイスライスを乗せる。
⑦レモンの皮を削って、上に散らす。
⑧レモン汁を絞って完成。
◆プロフィール◆
松浦裕香里
オーガニック&ナチュラルフード PR/ライター
東京生まれ東京育ち。大学卒業後、法律事務所でパラリーガルとして勤務した際の体調不良による休職経験から、「カラダは食べたものでできている」ことの大切さを痛感。その後5年間オーガニック食品メーカー広報を経験した後、独立。現在は食品メーカー・輸入代理店・飲食店のPRサポートとして活動中。“オーガニックナチュラル食”に精通した知識と、“背伸びしない食を楽しむライフスタイル”に定評があり、メディア等でフードライター・コラムニストとしても活躍の幅を広げている。
Instagram @yukari_matsuura_