
もうコンソメには頼らない、チキンとロマネスコの押し麦スープ
毎日頑張る私たちは、ついついコンソメや顆粒だしなど時短が可能で便利な調味料に頼りがち。いつもじゃなくてもいいから、ちょっとした一手間を加えて素材の味だけでも充分にシンプルでおいしいレシピに。たまにはそんなお料理を楽しんでみましょう。
やわらかな日差しが続いて春の訪れもすぐそこ。ですがまだまだ温かいお料理が恋しくなる、そんな日は満足感のある温かいスープで。食物繊維が豊富な「押し麦」と「チキンの手羽元」を使った食べるスープです。ボリュームもあって、食べ応えも抜群。
仕事で疲れて帰ってきた夜に食べても罪悪感も少なく、まだまだ冷える春の朝にもカラダを温めてくれます。
冷凍庫のレギュラーメンバー、手羽元選手
チキンの部位の中でも比較的、安く売られていることが多い手羽元。煮ても焼いても揚げてもよし、見た目のボリューム感も食べ応えもバッチリ。その万能さから、我が家の冷凍庫のレギュラーメンバーになっています。安い時に買っておき小分けにして冷凍しておけば、思い立った時に使えて便利。今回はスープなので、解凍が完了した手羽元に切り込みを入れてしっかりとお出汁が出てくるように下ごしらえします。
ちょっとしたひと手間でスープの底力を引き上げる
野菜もお肉もですが、煮る前に少しだけ焼いてあげることで旨味がぐっと増します。コンソメなどの顆粒だしを使わないスープは、素材そのもののストレートな美味しさを最大限に引き出してあげることでシンプルな美味しさが作られます。
たっぷりのオリーブオイルと、ほんの少しお塩を加えて、玉ねぎがほんのりきつね色になるくらいまで炒めます。玉ねぎから出た水分と一緒にチキンを表面が色づく程度に炒めると、ふわっと美味しい香りが。このひと手間で、野菜とチキンの旨味をさらに引き出してから加水することで、仕上がりが格段に変わっていきます。お鍋の中で炒めれば、フライパンいらず。ひとつのアイテムで完結できるので楽チンです。
押し麦はさっと洗って30分ほどお水に浸けておくと、ふっくらしておいしくなります。水分をたっぷり吸収した押し麦は、モチっとした食感で満足度をあげてくれます。面倒な時は、前日の夜か、当日の朝などからお水に浸けておくと便利。このひと手間も大事です。
押し麦ってお米と一緒に炊いたりする地味なイメージですが、スープに入れると一気に「食べるスープ」にスープを変えてくれます。押し麦はもともと大麦を押しつぶしたもの。食物繊維が豊富と言われているので、お腹にもやさしくて食べ応えも満足。スープには積極的に入れたい素材です。
お鍋の蓋を閉じてあとは弱火で15分煮込むだけ。じっくりとチキンからだしが出てくるのを待ちましょう。
冬になると、ちらほら見かけるロマネスコ。最近はスーパーでもよく見かける野菜で、一般的に食物繊維やビタミンが多く含まれていると言われています。スープに入れて煮ると、ポロポロ小さく煮崩れて、押し麦との組み合わせが抜群なので今回は一緒に。もちろん身近な、ブロッコリーやカリフラワーでも代用可能です。
キッチンを片付けたりテーブルの用意をしていると、煮込んでいる15分はあっという間。思っていたよりも早く出来上がります。最後に塩胡椒で味を整えれば、完成。最後にお好みでローズマリーを飾りつけると、爽やかな香りがふわっと漂って幸せな気持ちに。チキンのお出汁とお塩だけで、シンプルなスープが出来上がりです。
チキンとロマネスコの押し麦スープ
【材料】(2人分)
・鶏手羽元 5~6本
・玉ねぎ 1/2個
・押し麦 大さじ2杯
・ロマネスコ 1/4本
・塩 適量
・オリーブオイル 適量
・コショウ 適量
・ローズマリー 1/3本(お好みで)
・水 500ml
(下ごしらえ)
・鶏手羽元は切り込みを入れて、塩胡椒をまぶしておく
・押し麦はさっと洗って30分ほど浸水させておく
・玉ねぎはみじん切りに
・ロマネスコは茎から外して食べやすい大きさにカット
【作り方】
①鍋にオリーブオイルをしいて、玉ねぎに塩を加えてほんのりきつね色になるまで炒める。(弱火〜弱中火)
②鍋に手羽元を加えて表面が色づくまで焼く。(弱火〜弱中火)玉ねぎが焦げ付きそうになったら、少し水をほんの少し加えて焦げ付かないようにする。
③ロマネスコと水を加えて、最後に押し麦を入れる。
➃蓋をして弱火で15分ほど煮る。
⑤15分経ったら、蓋を開け、具をなじませてから塩コショウで味を整える。
⑥お皿に盛りつけたら、ローズマリーを飾って完成。
◆プロフィール◆
松浦裕香里
オーガニック&ナチュラルフード PR/ライター
東京生まれ東京育ち。大学卒業後、法律事務所でパラリーガルとして勤務した際の体調不良による休職経験から、「カラダは食べたものでできている」ことの大切さを痛感。その後5年間オーガニック食品メーカー広報を経験した後、独立。現在は食品メーカー・輸入代理店・飲食店のPRサポートとして活動中。“オーガニックナチュラル食”に精通した知識と、“背伸びしない食を楽しむライフスタイル”に定評があり、メディア等でフードライター・コラムニストとしても活躍の幅を広げている。
Instagram @yukari_matsuura_