一般コスメ・ナチュラルコスメ・オーガニックコスメって何が違うの?

皆さんこんにちは。
ナチュラルコスメプロデューサーの小松和子です。

これから「オーガニック・ナチュラルコスメ」のあれこれを、皆さんにわかりやすくお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

さて、第1回目は、増え始めた「ナチュラルコスメ・オーガニックコスメ」って普通の化粧品と何が違うのか? というところから始めましょう。

どんどん増える日本のコスメ事情

この数年で、「オーガニック」や「ナチュラル」を謳う化粧品を販売店でよく見かけますね。コスメの業界は、実はこの10年ほどでオーガニック製品の流通が急速増加傾向なのです。最近では国産の製品も増え、使用感や効果、そして製品アイデアやこだわり、デザイン性もグレードの高いものが続々登場しています。世の中にオーガニック・ナチュラルコスメが普及するのはうれしいことですが、反対に多くの方からは「増えすぎて何をどう選んでよいかわからない」というご意見も多くいただくようになりました。

確かにたくさんありすぎると選べないのも当然ですね。本当は化粧品の成分が読めて、今の自分に効果的に使えるものか見極められれば良いのですけど、まず専門家でない限りほとんどの方は判断をする事が出来ないでしょう。

それに多くの販売店では、そもそも化粧品に知識のあるバイヤーがいないという現状があるため、販売店では一般コスメとオーガニックコスメが混在して売られてしまい、自然化粧品が好きな方は買いたくても売り場で見つけにくくなってしまっている状況です

世の中にはいろんな化粧品があるけれど、そもそも一般コスメ・ナチュラルコスメ・オーガニックコスメって何が違うの?

私がオーガニック業界でお仕事をするようになったのは、自分自身が化学物質過敏症になってから。一般の化粧品に使われる成分の多くに肌荒れや体調が悪くなるなどの症状が現れるようになりました。そんな中で出会ったのがオーガニックコスメです。私の場合はまず一般コスメで当たり前にかぶれていた肌に、オーガニックコスメで〝肌がかゆくならない″という現象が起こり、そこから興味を持ち、独学で一般化粧品との違いを学んでいきました。ではオーガニックやナチュラルコスメという製品は、一般コスメと何が違うのでしょう。

現代の化粧品業界は、一見、素晴らしい進化を遂げているように感じます。でも、どんなに話題になっている化粧品でも劇的な変化があるほど効果は感じないという人がほとんど。セミナーなどで「美白を謳う医薬部外品の浸透化粧品でシミは取れましたか?」と聞くと、ほぼ100%の方が苦笑いをしながら首を横に振ります。本来美白化粧品は、シミを取るのではなく予防をする役割ですし、肌の深くまで化粧品が浸透するという事は、私たちの肌がもともと持っている防御ラインである肌バリアを超えることになりますから美容成分と共に余計な成分も浸透、さらには使い方を誤ると白斑などの症状が出る人も。もちろん肌も乾燥しやすくなって敏感肌も増えています。

オーガニック・ナチュラルコスメには、そうした浸透成分や浸透技術は使用禁止。そもそも、スキンケアも肌へのアプローチの考え方自体に違いがあるのです。それに、オーガニックナチュラルコスメは環境に配慮した製品であるという事にも違いがあります。

一般の化粧品では、環境ホルモンに影響する原料が使われたり、自然に還らない、又は還りにくい原料が使われます。特に最近ではマイクロプラスチックの問題が大きく取り上げられ、海の汚染が大変な問題になっていますね。このように生分解しないものがどんどん使われていくことは、人間自らが自滅へ追い込んでいるといっても過言ではないでしょう。オーガニックの製品づくりはこうした自滅的なものではなく、持続可能であることが最優先されているのです。

ただ最近では、オーガニック業界で頭を抱える「もどき」製品も増えているのが気になるところでして、先ほどのお話で出た環境ホルモンの問題も、例えば、日焼け止めやファンデーション、パウダー、ネイル、口紅によく使われる成分「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」などの紫外線を防ぐ紫外線吸収剤が使われています。着色料にも「食品添加物で許可されているから安心です」とうたう「赤色○○(数字)」「青色○○」なんていう合成着色成分が配合されていたりします。例えば口紅などにはこうした着色剤が当たり前に使われていますから、女性は一生でかなりの量を摂取してしまっているのですねー。

これらはオーガニック&ナチュラルコスメではすべて使用禁止。当然こうしたブランドにはオーガニック認証マークはついていません。「もどき」ブランドが急増している今、本物が見えにくくなってしまっている現状であるのです。そういった意味ではオーガニック認証を持つコスメは認証マークにより、一定の条件をクリアした製品という指標となり、安心な選択ができる製品であるという事がわかります。でも日本ではもう一つ「リアルナチュラルコスメ」というものも存在し、もどきのオーガニックやナチュラル風なブランドとのすみわけが、お互いに認証マークがついていないだけに、成分に詳しくなければ見極められないというややこしい現状もあるのです。

そして本物のオーガニックナチュラルコスメにおいても、良い部分だけではなくマイナス面もあることを知っておきましょう。複雑に流通が広がり始めた化粧品。私たちはこれから「自分の身は自分が守る」という時代に突入していることを自覚しなければならないところに来ています。

最後にもう少しわかりやすく表にまとめてみましたのでご参考に。

これだけではなく、実はまだまだ違いはありますが、これから少しずつ皆様に、オーガニックナチュラルコスメの世界をお知らせしていきたいと思います!

 

◆専門家プロフィール◆


小松和子
ナチュラルコスメプロデューサー
ナチュラルコスメメイクアップアーティスト

TVドラマ・CM・映画・雑誌などの分野で、フリーのヘアメイクアップアーティストとして数々の著名人を担当。自身の化学物質過敏症をきっかけに肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年ナチュラルコスメ専門のヘアメイクアップアーティストとして転身。現在はナチュラルコスメプロデューサーとして、化粧品開発のプロデュースや講演・講座・企業研修・展示会・イベント・店舗プロデュースなど幅広く活躍中。一般向けのパーソナルナチュラルコスメ カウンセリングやメイク講座は、毎回すぐに予約が埋まる人気。2017年1月よりオーガニック・ナチュラルコスメと肌知識に特化したクラムスクール「Natural Life & Beauty Academy」を開校。