
食卓に置いて、いつでも手軽に栄養価アップ!
普段の生活に取り入れたい健康的な食材「豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、芋」の頭文字を取った「まごわやさしい」という和食の合言葉があります。日本の伝統食がベースとなっているマクロビオティックのお食事法でおすすめしている食材もこの合言葉と重なります。
これらの食材を、偏らずにバランス良く取り入れることで、日々の食事を整えることが出来ます。さらに、マクロビオティックの食事法の基本は「玄米菜食」なので、この「まごわやさしい」を意識したお食事に玄米をプラスすれば、マクロビオティックの理想とする食事を実践することが出来ます。
今回は、こちらの合言葉の3~5番目のキーワード「わかめ、野菜、魚」について、3つの要素をまとめて摂り入れることが出来る、忙しい毎日に役立つ簡単な方法をご紹介します。
普段の食卓に手軽に取り入れる方法
身体に良い食材である「まごわやさしい」、なかなか全てを取り入れることって難しいですよね。今回は、そんなお悩みを解消してくれる方法をご紹介します。
それは、まごわやさしいの中から、お好きな食材を組み合わせた「ふりかけ」を用意しておくことです。ブレンドしたふりかけを小瓶に入れてテーブルに置いておけば、忘れないし、その時に必要な分だけ食事にプラスすることが出来ます。
ふりかけは、ごはんのお供としてだけではなく、メイン料理や野菜料理にもプラスすることが出来、栄養価をアップしてくれるだけではなく、美味しさもアップ。
食卓に常備しておけば、様々なシーンで活躍してくれます。数種類置いておけば、その日の気分に合った味わいを楽しむことが出来ます。
私の好きな組み合わせを3つ、ご紹介します。
①わかめ(海藻)ベースのふりかけ(右の瓶)
あおさ、昆布パウダー、白ごま、黒ごま、梅フレーク、藻塩(海塩、海藻)
②やさい(野菜)ベースのふりかけ(真ん中の瓶)
ケールパウダー、大麦パウダー、大葉パウダー、ヘンプシード、梅フレーク、ゆかり、天日海塩(フルール・ド・セル)
③さかな(魚)ベースのふりかけ(左の瓶)
いわし節、海苔、白ごま、梅フレーク、天日海塩(フルール・ド・セル)
ふりかけに使用しているお塩は、わかめベースのふりかけには海藻が含まれる藻塩を使っており、その他は、食感のアクセントにもなる粒の大きい天日海塩のフルール・ド・セルを使用しています。
フルール・ド・セルとはフランス語で「塩の花」を意味します。
ほんのり甘みのある美味しいお塩で、無添加の梅フレークが好きなので、気が付いたらすべてのふりかけにブレンドしていました。
やさいベースのふりかけに使用しているケール&大麦パウダーは青汁のパウダーを使用しています。これらのふりかけを、玄米ごはんや味噌汁、サラダやグリルした野菜、豆腐や厚揚げなどと合わせて頂いたり、お弁当用におむすびにすることも多いです。
忙しい時には、「ORGANIC STORY オーガニックレトルトごはん 玄米(有機栽培ササニシキ)」を活用しています。レトルトのごはんとは思えない、とても美味しいもちもち食感の玄米ごはんです。あとは、ブレンドしておいたふりかけを混ぜ合わせるだけなので、とても簡単です。
それでは、「わかめ、野菜、魚」それぞれの効能も、改めてご紹介していきたいと思います。
わかめ(海藻類)の効能
まごわやさしいの「わ」は、わかめを含む海藻類を表しています。海藻の種類は、大きく分けて、3つのカテゴリーに分類されます。褐藻(かっそう)類、緑藻(りょくそう)類、紅藻(こうそう)類の3つです。褐藻が350種類、緑藻が250種類、紅藻類が900種類ほどあるとされており、日本だけで1,500種類ほどの種類があり、100種類以上を食用としています。
褐藻類に含まれるのが、わかめ、めかぶ、昆布、ひじき、あらめ、もずく、あかもくなどです。緑藻類に含まれるのは、青海苔、あおさ、海ぶどうなどで、紅藻類に含まれるのは、海苔、寒天の原料となる天草(てんぐさ)、海藻サラダなどで見かけるトサカノリ、アマノリ、フノリなどがあります。海苔は、黒っぽく見えますが、ちょっと透かしてみると、たしかに赤っぽい色合いが感じられます。
海藻は、カルシウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルが豊富で、ビタミンや水溶性の食物繊維も含まれます。低カロリーなので、ダイエット中の方にも嬉しい食材です。
摂取する際は、酢や油と組み合わせると栄養成分が効率よく摂取できるので、調理する際は酢や柑橘類の果汁、食用油を利用するのがおすすめです。味噌汁の具材の他に、ドレッシングをかけたサラダや炒めもの、酢の物などにしてみましょう。
やさい(野菜)の効能
まごわやさしいの「や」は、野菜を表しています。野菜の種類は、食べる部位により、「葉菜類」「果菜類」「根菜類」の3つに分類することが出来ます。
葉や茎を食べる葉菜類に含まれるのが、小松菜、ほうれん草、春菊、キャベツ、白菜、アスパラ、ブロッコリー、カリフラワーなどです。果実を食べる果菜類で、トマト、ナス、ピーマン、パプリカ、ズッキーニ、オクラ、かぼちゃ、トウモロコシなど。
根の部分を食べる根菜類には、ゴボウ、ダイコン、ニンジン、カブ、ショウガ、ヤマイモ、サトイモなどです。
他に、「緑黄色野菜」と」「淡色野菜」という分類の仕方もあります。緑黄色野菜は、色の濃い野菜というイメージですが、分類の基準となっているのは、カロテンの含有量にあります。
緑黄色野菜は、ビタミン、ミネラルが多く、おもに体の調子を整えるもとになります。日本食品標準成分表では、「原則として可食部100g当たりカロテン含有量が600㎍以上のもの」とされています。
トマト、ピーマンなどの一部の野菜については、「カロテン含有量が600㎍未満であるが摂取量及び頻度等と勘案の上、栄養指導上緑黄色野菜とする」とされています。
主な緑黄色野菜は、オクラ、かぼちゃ、みずな、小松菜、しそ、大根の葉、トマト、にら、にんじん、ピーマン、ブロッコリー、ほうれんそう、サニーレタス などがあります。
また、マクロビオティックには「身土不二(しんどふじ)」「一物全体(いちぶつぜんたい)」という2つの原則があります。
「身土不二(しんどふじ)」とは、暮らす土地の旬のものを食べることを意味します。スーパーには、旬のお野菜以外も並んでいますが、ぜひ旬かどうかも意識して摂り入れるようにしてみましょう。
さかな(魚)の効能
まごわやさしいの「さ」は、魚を表しています。特に背が青緑色を帯びた、イワシ類・サバ類・アジ類などの青魚はDHAやEPAなどの良質な脂質やタンパク質が含まれています。
また、マクロビオティックでは「一物全体(いちぶつぜんたい)」自然の恵を残さず丸ごと頂くことという考えのもと、大型の魚ではなく、丸ごと食べられる小魚、貝類などをおすすめしています。
今回のふりかけにも、かつお節ではなく、小魚に分類されるいわし節を使用しています。おすすめは、いわし節と刻み海苔がブレンドされている「カネジョウ あったかご飯に海苔いわし」です。
そのままご飯にかけても美味しいのですが、私はさらに自分の好きな梅フレークや白ごまをブレンドしたものを、食卓に常備しています。
今回はこのふりかけを、ごはんではなく旬の春野菜にトッピングしてみました。野菜は、甘酒、醤油、エキストラバージンオリーブオイルでグリルしています。
春野菜は、アスパラガス、新玉ねぎ、まいたけの3種類のみ。種類が少なくて少し寂しい時にも、ふりかけをトッピングすれば、一気に旨味がアップして満足感も高まります。
ぜひ、ご自身のお好きな組み合わせのふりかけを食卓に置いて、いつでも手軽に、栄養価と美味しさをアップさせてみてください。
◆プロフィール◆
渡辺美穂
Natural Living代表 / JADP認定マクロビオティックセラピスト
Natural Food Seminar講師 Vegan Carrot Cake レシピ開発・製造
CHAYAマクロビフーズ 公式ブログ・メールマガジン ライター
食の大切さを伝えるためのブランドNatural Livingを立ち上げ、2021年10月より、Naturalな暮らしに繋がる食のセミナーや、イベント・ワークショップの企画と、Vegan Carrot Cake – Gluten Free & White Sugar Free -のレシピ開発、製造などを行っている。