
冬のオイル美容
こんにちは!
さて、寒さがぐんと厳しくなってきましたね。皆さんのお肌の状態はいかがですか?
私の今年の肌はなかなか調子がいいです。夜の洗顔後もツッパリ感がなく、何もつけなくてもいいかな?。。。なんてついついケアをさぼってしまいそうになります。
ですがもう年齢的に水分と油分は与えておかないと、そのまま放置の行く末は小じわやくすみに直結です。特に冬ですからね~。
メイクレッスンをやっても、多くの方は乾燥を感じているそう。いつも使っているコスメの選び方、ちゃんとできているかな?
そこで今回はとっておきのオイルの選び方を伝授です!
この情報は普段私の講座でしかお話をしてきませんでした。
なぜならオイル選びが本当に上手にできるようになる、とっておきの情報だからです。
私も化粧品の開発の時にとても重要視する部分でもあります。
このコラムを読んだ方はきっとラッキーですよ!
オイルの選定の基本は皮脂バランスと同じ構成で!
まず、私たちは普段スキンケアをする際に必要とするのは水分と油分。
本来は内側からくる潤いで健康肌を保ちますが、年齢や季節、紫外線などの様々な要因で潤いが足りなくなるからそれを補うというケアをするわけです。
どんな水を使うか、どんな油分を使うかでその結果は歴然と変わります。そしてオイルを選ぶときにポイントになるのは皮脂の構成を理解しておくことが必須。
そう。オイルだからってなんでもいいわけではないのですね。ホホバオイル、アルガンオイル、マカダミアナッツオイル、、、、
もちろん単体でつけていてもいいのですが、効果を感じたければベストな皮脂類似ブレンドオイルをつくるのが好ましい。
皮脂の構成の理解は、ざっくり大まかなポイントを押さえればいいので難しさのハードルは少し下がると思います。
さて、まずはそもそも人間の皮脂はどんなものからできているのかを知っておこう!
ちなみに皮脂を構成する成分たちの含有パーセンテージは、調べると様々なサイトでも出てきますが、その数値は様々。若干の違いはありますので、ざっくりこんな数値と思っていただくといいでしょう。
===皮脂に含まれる成分と含まれる量===
トリグリセリド 40%前後
ワックスエステル 25%前後
スクワレン 12%程度
遊離脂肪酸 16%程度
コレステロール 1.4%~程度
その他
とこんな感じです。
この皮脂と同じようなバランスをオイル美容に取り込むのが美肌になる秘訣なのです。
そしてこの上記のうち、化粧品で皮脂に近づけるためには上から3つ、油脂(トリグリセリド)・ワックスエステル・スクワランという種類を意識してオイルを組み合わせると、皮脂と似た絶妙なバランスのオイルを作ることができます。
この3つの種類のうち、まずは油脂に関してですが、ここだけ少し知識が必要。
とにかく、この油脂が、また細かく皮脂の構成を作るメンバー(脂肪酸)がいるわけです。そしてその脂肪酸メンバーはそれぞれ絶妙な役割を果たしながら肌を守っているのですね。
化粧品でその役割を担うオイルを選ぶ場合、どんなオイルがあるのかも参考までに載せていますのでそのオイルをうまくブレンドすることで皮脂に似た構成で作ることが可能。
★――皮脂の40%前後中の油脂(トリグリセリド)の内訳――★
- パルミトレイン酸(脂肪酸中の21%)
30代から減少・細胞活性化・アンチエイジング / マカダミアナッツやヘーゼルナッ ツなどに含まれる
- パルミチン酸(脂肪酸中の20%)
思春期に多い・ビタミン誘導 / パーム油やバオバブシードオイルなどに含まれる
- オレイン酸(脂肪酸中の15%)
保湿(重い)・アクネ菌増殖に注意 / オリーブオイル、米ぬか油、アルガンオイル、椿油、アボカドオイル、アーモンドオイル、シアバター、ヒマワリ油、馬油、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ油など比較的多くの油脂などに含まれる
- ミリスチン酸(脂肪酸中の7%)
エモリエント / ココナッツオイル・パーム油などに含まれる
- リノール酸(脂肪酸中の5%)
保湿(軽い)・酸化しやすい / 大豆油・グレープシードオイル・ローズヒップオイル、米ぬか油などに含まれる
- ステアリン酸(脂肪酸中の4%)
エモリエント・アクネ菌増殖に注意 / バオバブシードオイルやシアバターなどに含まれる
- ラウリン酸(脂肪酸中の4%)
アクネ菌発育抑制 / パーム核油、ココナッツオイルなどに含まれる
これらのオイルを同じだけのパーセンテージでブレンドしたら、それはもう最高のオイルが出来上がります。また、ここに載っていないオイルを見つけたら、その脂肪酸構成を調べればどの脂肪酸がどのくらい含有しているかがわかるので見てみるといいですね。
もし、販売されているメーカーのオイルを選ぶなら、どんなオイルが使われているかcheckするといいです。ちなみにメーカーさんのブレンドオイルの配合成分はパーセンテージまでにはさすがに公開されていませんが、配合順番で見てみるといいですね。
そして、そのほかに、ワックスエステルは保湿・バリア機能強化・酸化しにくい特徴があり、自然の成分で言うとホホバ油があげられます。海洋性天然ワックスではオレンジラフィー油があります。
ワックスエステルが配合すると被膜が作られ外からの乾燥をしっかり防いでくれます。
また、3つ目のスクワランは、本来肌にはスクワレンという形で含まれます。
ですがとても酸化しやすい物質。ですので化粧品では水素添加をしてスクワランという成分にして使用します。オーガニックナチュラルコスメの多くは植物性を使用しますが、オリーブオイルやトウモロコシオイル、大豆油、米ぬか油などから抽出します。一番使われるのはオリーブスクワランが多いですね。
スクワランは動物性もあります。有名なのは深海鮫の肝油から採れるもの。でもやはり、主に刺激性の部分やイメージでも植物性がメインですね。
スクワランは浸透作用が高く、他の成分と一緒に配合すると浸透力が高まるといわれているようです。
ということで少し複雑ではありますが、今年の冬のオイルケアはまずは皮脂に近いオイルのブレンドを意識してみてください。的を得たケアは道がるように肌が変わりますよ!
♦︎プロフィール♦︎
小松和子
ナチュラルコスメプロデューサー
ナチュラルコスメメイクアップアーティスト
TVドラマ・CM・映画・雑誌などの分野で、フリーのヘアメイクアップアーティストとして数々の著名人を担当。自身の化学物質過敏症をきっかけに肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年ナチュラルコスメ専門のヘアメイクアップアーティストとして転身。現在はナチュラルコスメプロデューサーとして、化粧品開発のプロデュースや講演・講座・企業研修・展示会・イベント・店舗プロデュースなど幅広く活躍中。一般向けのパーソナルナチュラルコスメ カウンセリングやメイク講座は、毎回すぐに予約が埋まる人気。2017年1月よりオーガニック・ナチュラルコスメと肌知識に特化したクラムスクール「Natural Life & Beauty Academy」を開校。