
「マクロビ1DAYリセット」のススメ
マクロビオティックは、日本人の桜沢如一(さくらざわゆきかず)氏が考案した長寿のための健康的なお食事法です。精進料理など、日本の伝統食がベースとなっています。
「玄米菜食」を日々の食事のベースとし、「身土不二(しんどふじ)」や「一物全体(いちぶつぜんたい)」「陰陽バランス」など、自然との繋がりを大切にした食に対する考え方がたくさん出てきます。心と体を整えてくれるお食事法であるマクロビオティックを、ぜひ普段の生活の中に取り入れてみませんか。
興味はあるけれど、毎日続けるのは難しそうだなと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。毎日頑張らなくても大丈夫です。週に1日だけでも、月に数回だけでも、今の生活の中で無理なく出来る範囲内で実践してみましょう。
「マクロビ1DAYリセット」の実践方法
それでは、「マクロビ1DAYリセット」の実践方法をご紹介していきたいと思います。
マクロビオティックのベースとなるお食事は、「玄米菜食」です。玄米とお野菜。ブラウンライスとヴィーガン(完全菜食主義)、ベジタリアン(菜食主義)。
「マクロビ1DAYリセット」の日は、白米と動物性のお食事をお休みして、玄米と植物性のお食事(お野菜と植物性タンパク質中心のお食事)に変えてみましょう。
最近では、ヴィーガンフードに注目が集まってきているので、大豆ミートなどのお肉の代替品の他、チーズや卵などの代替品も登場し、手軽に購入出来るようになってきました。以前に比べると、美味しさも格段にアップしているので、ヴィーガンフードでもしっかりと満足感が得られると思います。
また日本は、豆腐や納豆・厚揚げ・がんも・高野豆腐など、植物性のたんぱく質食材である大豆製品の種類も豊富です。洋風にアレンジすると、印象も変わりますので、ぜひいろいろと活用してみてください。
さて、「マクロビ1DAYリセット」で玄米菜食を実践してみると、どのような効果があるのでしょうか。玄米と菜食、それぞれに嬉しい効果があるので見ていきましょう。
植物性のお食事の効果
まずは、植物性のみのお食事(ヴィーガン、ベジタリアン)にした際の嬉しい効果についてです。消化には、とても大きな力が必要なことはご存知でしょうか。
消化に時間がかかるものばかり食べていると、腸は常に消化の作業に追われてしまいます。免疫のシステムは、腸に集中しています。 消化にばかりパワーを使ってしまうと、免疫の方までパワーが回りません。
また、肌の再生も後回しになってしまいます。消化に負担のかかる肉や魚などの動物性のお食事をお休みして、たっぷりのお野菜と大豆ミート・豆腐・納豆・高野豆腐といった植物性のたんぱく質を中心とした消化に負担のかからないお食事をすると、余ったパワーを他に回すことが出来るので、身体の再生を促してくれます。腸を休めてキレイにする事で、免疫力UPにもつながります。
玄米食の効果
次は、玄米食にするメリットについて見ていきましょう。玄米ごはんは、太らずに適正体重にしてくれる、理想的な糖質だということをご存知でしょうか。現在「糖質制限」というキーワードが人気があるため、糖質を気にして、お米を食べることを控えているという方も多いと思います。
しかし、糖質は脳にとっての唯一のエネルギー源です。お米の主成分である炭水化物は、活動のエネルギーとなり、熱を生み、カラダを温め、代謝を上げてくれます。お米を摂らないと、逆に代謝が下がり、太りやすくなってしまいます。
たしかに、精製された状態である白米は、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な胚芽が削り取られ、太りやすい糖質になってしまっています。白米は控えめにして、玄米を増やしていくことがおすすめです。玄米は固いので、よく噛むことになります。少量でも満腹感が得られやすいので、食べ過ぎないで済みます。玄米は、太らずに適正体重にしてくれる理想的な糖質なのです。
実践する日を設定してみよう
それでは、「マクロビ1DAYリセット」する日を実際に決めてみましょう。「マクロビ1DAYリセット」する日は、いつも以上に1食1食を大切にしてみましょう。食とゆっくり向き合う時間を作ってあげるということも大切なポイントです。
しっかりと意識をして実践出来るように、手帳などに書いておきましょう。そして、その日に何を食べるか、1日分の献立も考えてみましょう。外出先で食事をすることになりそうな場合には、あらかじめヴィーガンフードを提供しているカフェやレストランを調べておいたり、ヴィーガンのお弁当作りにチャレンジしてみたり、ヴィーガンのおやつを準備して持参してみましょう。
最近では、コンビニでも手軽に大豆ミートなどが使われたヴィーガンフードが購入出来るようになりました。しかし、手軽なものには添加物が多く含まれていることが多いため、裏面の成分表示をチェックするようにしましょう。それでは、「マクロビ1DAYリセット」におすすめのメニュー例をご紹介していきたいと思います。
「マクロビ1DAYリセット」朝・昼・夜のおすすめごはん
【朝ごはん】
朝は、軽めがおすすめです。温かいもので、優しく腸を起こしてあげましょう。朝のおすすめメニューは、具だくさんのお味噌汁やスープと玄米ごはん、温野菜と玄米粥などの組み合わせです。
忙しい朝は、添加物不使用の身体にやさしいレトルトを活用してみましょう。おすすめは、Natural House (ナチュラルハウス)の玄米かぼちゃ粥。原材料は、有機玄米(国産)・かぼちゃ(国産)・食塩(海の精)のみ。とても、シンプルです。マクロビオティックで、かぼちゃなどの丸い野菜は、陰性と陽性の真ん中の「中庸」、バランスが取れているお野菜なので、デイリーに摂るのにおすすめです。やさしく煮込こまれたかぼちゃの自然な甘みが、寝起きの身体に染み渡ります。
【昼ごはん】
お昼は、仕事や育児などが忙しいと、なかなかゆっくり食べることが難しいかもしれません。しかし、昼食はとても大切です。お昼ごはんで満足感が得られないと、その後間食が食べたくなってしまいます。
しっかりと満足感が得られるように、適度に油分を含むお食事がおすすめです。昼のおすすめメニューは、少量のサラダ・温野菜と大豆ミートのヴィーガンのカレーと雑穀入り玄米ごはんなどの組み合わせです。
【夜ごはん】
夜ごはんは、お昼ごはんよりも軽めにしてみましょう。消化が終わらないまま寝てしまうと、睡眠の質に影響が出てしまいます
。仕事が忙しいと、夜ごはんの時間が遅くなってしまうという方も多いのではないでしょうか。「夜ごはんは、寝る3時間前までに。」とよく言われますが、植物性のお食事は、動物性の食事に比べて消化が早いので、おおむね2時間前でも大丈夫です。
少し遅い時間になっても食べられるのは、ヴィーガンフードの魅力のひとつです。消化に負担がかからないお食事は、目覚めも良くなります。少し遅い時間に食べても、次の日を気持ち良くスタート出来る「夜だけVEGAN」という習慣も、日常生活に取り入れやすいかもしれません。
夜のおすすめメニューは、蒸し野菜やグリル野菜などの温野菜と、豆腐や高野豆腐などの大豆製品、玄米ごはんや玄米リゾットなどの組み合わせです。おすすめは、Natural House (ナチュラルハウス)の玄米豆乳リゾットです。
国産有機栽培玄米と国産野菜を豆乳で煮詰めた、素材の旨みが詰まった玄米リゾットで、中に玉ねぎ・えのき・とうもろこし・舞茸・マッシュルームが入っています。そのままでも良いですし、ひと手間加えて、醤油ベースのきのこソテーとパセリをトッピングしてみると、さらに満足感の高い仕上がりになります。パセリの代わりに、大葉を使用して和風に仕上げたり、バジルを使用してイタリアンに仕上げたりすれば、様々な表情を楽しめます。
今回は、マクロビオティックを日常生活に取り入れやすくするための方法「マクロビ1DAYリセット」をご紹介しました。まずは1日、実践する日を設定してみましょう。
ヴィーガンフードにすると、次の日に身体の軽さを実感される方がとても多いです。1日実践が出来たら、次のステップとしておすすめなのが、2日連続での実践です。
飛び飛びで実践するよりも、効果が実感しやすくなります。消化は、だいたい48時間かかります。2日間ヴィーガンフードにすることで、さらに身体の軽さを実感できることが出来ます。玄米ごはんはゆっくりと噛むことが大切なので、平日の忙しい時ではなく、土日のお休みに実践するのも良いかもしれません。
他にも、ポールマッカートニーが提唱している「ミートフリーマンデー」のように、月曜日はヴィーガン、夜だけヴィーガンなどと決めておくと、ルーティンで実践しやすくなると思います。ヴィーガンフードにすることと玄米を取り入れること、最初は両方を実践することは難しいかもしれませんが、その場合はどちらかだけでも取り入れてみましょう。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合ったルーティンを見つけてみてください。
◆プロフィール◆
渡辺美穂
Natural Living代表 / JADP認定マクロビオティックセラピスト
Natural Food Seminar講師 Vegan Carrot Cake レシピ開発・製造
CHAYAマクロビフーズ 公式ブログ・メールマガジン ライター
食の大切さを伝えるためのブランドNatural Livingを立ち上げ、2021年10月より、Naturalな暮らしに繋がる食のセミナーや、イベント・ワークショップの企画と、Vegan Carrot Cake – Gluten Free & White Sugar Free -のレシピ開発、製造などを行っている。