
年末年始に向けて「冬のお野菜ちらし」
早いもので一年もあっという間に終わりが近づいてきましたね。これからクリスマスにお正月と、家族や友人、同僚など大勢でわいわいとご飯を囲むことも多くなる季節。日々のお弁当はもちろん、ちょっとした持ち寄りパーティーやお正月のおせちと一緒に、ちらし弁当はいかがでしょう。
ちらし寿司と言っても、豪華な海鮮ちらしや五目ちらしなど色々ありますが、今回ご紹介するのは冬の滋養がたっぷり詰まったお野菜ちらし。冬のお野菜がたっぷり楽しめ、ちょっと華やかなお弁当です。
炒り玄米
以前、玄米を浸水する炊き方をご紹介させていただきましたが、浸水せずに炒る炊き方があります。少し固めに炊き上がるため、お酢などの水分を考え酢飯にぴったり。
また、寒い冬に合った炊き方でもあります。冬野菜は体を温め、夏野菜は体を冷やす力があるように、調理法にも色々な「力」があります。火を入れず、生のままいただくと体を冷やし、じっくり火をとおすと体を温める。そのため、浸水せずに、火で炒る玄米はそうじゃないものと比べて、体を温めると考えられています。酢飯だけではなく、さっぱりしたご飯がお好みの方は、普段にも是非試してみてください。
酢飯をかんたんに
酢飯って、ハードル高くありませんか?お酢の酸味とみりんや砂糖の甘み、お塩の塩分、そのうまいバランスを見つけるのが難しく、あれやこれやしているうちに、気づけばご飯はとっくに冷め、べちゃべちゃに…なんて苦い思い出も。しかし、米酢に加えて、梅酢を使うと簡単に美味しい酢飯ができるのです。梅酢は、梅干しを作る過程できる産物。梅を塩漬けした時に出てくる水分。したがって、酸っぱさもありながら、梅のフルーティーな甘味や、塩分などが含まれているので、甘みを加える必要がないのです。ここでは、米酢4に対して梅酢1としていますが、ご家庭の味や、体調、体質によって良い塩梅は変わるはず。自分にぴったりの塩梅を見つけてみてください。
冬のお野菜やフルーツがたっぷり入った冬のお野菜ちらし。下ごしらえが大変そう!と思われるかもしれませんが、お野菜1つ1つの量は多くないため、小さいお鍋などでさっと準備することができます。
冬のお野菜ちらし
【材料】(重箱一段分ほど)
・酢飯
・玄米 1合
・水 およそ 225cc
・海塩 ひとつまみ
・米酢 小さじ3
・梅酢 小さじ1
具の準備
・人参 1/5本ほど (25g) 細切りにし、牛蒡と合わせてお醤油で煮付ける
・牛蒡 1/5本ほど(25g) 細切りにし、人参と合わせてお醤油で煮付ける
・蓮根 3cmほど(30g) 薄切りにしてさっと茹で、梅酢に30分ほど漬けておく
・かぶ 1/2個(50g) 薄切りにし、塩麹に漬けて30分ほど漬けておく
・大根 4cmほど(100g) いちょう切りにし、ごま油、お醤油をまぶし、トースターで10分ほど焼く
・春菊 1/2束(40g) さっと湯どうしし、冷ましておく
・キウイ 1個 半分は細かく、半分は飾り用に薄切り
・苺 2個
【作り方】
①玄米はあらい、水をきる。
②鍋を熱し、玄米を水分が飛び切るまで炒る。
③分量の水、海塩を入れて炊く。
➃炊き上がったら桶に移し(ない場合はボウルなど)、米酢、梅酢を入れ、うちわで仰ぎながら水分をとばし、冷ましていく。
⑤準備した具が冷めたら、④と混ぜ、キウイ、苺を飾る。
◆専門家プロフィール◆
中島芙美枝
美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram @fumie_nakajima