秋から冬へ「小豆南瓜」

いよいよ冬の気配を感じるようになって来ましたね。土の中では根菜が充実する季節。暦の上では11月8日の立冬から2月4日の立春までが冬とされています。空気は冷たく乾燥し、お肌の不調や手足の冷えなどの症状が気になり始めている方もいらっしゃるのでは。冬は体を養生し、春に向けてエネルギーを溜め込む季節です。今回ご紹介するのは、新陳代謝が滞るこの季節にぴったり。体のめぐりを助ける小豆南瓜をご紹介します。

冬は腎臓の養生を

冬は、寒さで新陳代謝が落ち、体内の気や血液も滞りやすくなります。そのため、肩こりがひどくなったり、むくみ、冷え、高血圧、心臓の疾患などが増える時期でもあります。さらに、体の水分を司る腎臓は、冷えや寒さの影響を受けやすい臓器。そのため、春は肝臓、夏は心臓、秋は肺、そして秋は腎臓をケアする季節と言われています。

小豆南瓜

腎臓の働きを助けるお野菜といえば、瓜科のお野菜。とはいえ、胡瓜やズッキーニ、スイカなどの夏野菜は体を冷やしてしまいますからこの時期は控えるのがベター。代わりに活躍するのが南瓜です。利尿作用を助けるほか、カロテンやビタミンCも豊富。カロテンは皮に多く含まれているので、皮ごと使います。

さらに、その形までもが腎臓のそれにそっくりな小豆には、腎臓に力を与え、むくみの解消や利尿作用を促す効果が。昔は、月の満ち欠けを目安に、月が膨らみ出す新月、丸くなった満月を祝って月に二度小豆ご飯を食し、自然と体のデトックスをしていたと言われています。現代では、むくみや膀胱炎などの悩みが多い女性も多いかと思います。腎臓には女性ホルモンに働きかける力もあるため、女性の生理機能に関わっているとも言われています。冬だけではなく、満月や新月、月経前後のタイミングなど、お弁当の定番おかずにしてみるのはいかがでしょうか?

小豆南瓜

【材料】 (2人分)
・小豆 1cup
・南瓜 200gほど
・海塩 小さじ1
・昆布 3cm角ほど

①小豆はあらい、南瓜は食べやすい大きさに切る。(お弁当に入れやすいサイズに切るのがよい。)

②小豆と昆布、水を入れ火にかけ、沸騰したら中火で蓋はせず煮る。

③水分がなくなってきたら、分量外の水を足し柔らかくなるまで煮る。水分が減ったら再び水を足す。

④小豆が柔らかくなったら南瓜を入れ煮る。
南瓜が柔らかくなったら海塩で味を整える。

 

◆専門家プロフィール◆


中島芙美枝

美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram @fumie_nakajima