秋のあと一品に

秋といえば根菜ですね。土の中でたっぷりエネルギーをため込んだ人参や大根、かぶ、蓮根、牛蒡…、これらの根菜を美味しくいただくおかずもたくさん。肉じゃがやぶり大根、筑前煮、鍋・・・などが浮かびます。そんな中でも、冷蔵庫にある根菜でぱっと手軽につくることができるのが、「きんぴら」。細切りにしたお野菜を甘辛く煮るお料理ですが、実はお野菜の甘みを上手に引き出すことで、お醤油だけでさっと調理ができる優れもの。お弁当にあと一品欲しいなぁ、なんていう時は、さっと簡単に作れる。今回は秋にぴったりな「きんぴら」のご紹介です。

蓮根と人参、牛蒡のきんぴら

「きんぴら」というと、とっても地味〜なおかずという印象をお持ちの方も多いと思いますが、つくり方次第では優秀なおかず。特に、蓮根、人参、牛蒡でつくるきんぴらはそれぞれのお野菜が体に絶妙にはたらきかけ、体の調子を整えてくれることも。蓮根は前回のコラム「実りの秋」でも触れたように、肺や喉などの呼吸器系を健やかに保ちます。秋に是非とも積極的に取り入れたいお野菜です。人参は血を補うはたらきが。そして、牛蒡はその食物繊維の力で腸を綺麗にお掃除し整えます。なんだかよくわからないけど、体調がイマイチだなぁなんて時にいただくのもおすすめ。自分では気づかないちょっとした不調にはたらきかけてくれることも。また、根菜にはからだをあたためるはたらきもあるため、これからの寒い季節にぴったりのおかずになります。

お野菜の甘みで

このきんぴらには調理のポイントが2つあります。まずは、お野菜の切り方。人参、牛蒡は斜め薄切りにし、それを細切りにしていきます。これは、1本1本にお野菜の皮の部分がしっかり入り、1本が皮の部分だけ、中心部分だけなど偏らずに全体が摂れるようにするためです。蓮根は細切りというわけにはいきませんので、いちょう切りにします。

次に、お野菜の炒め方。蓮根と牛蒡のアクは水に浸すなどせず、炒めてとばします。まずは一番アクが多い牛蒡をしっかり炒めアクを飛ばし、その後、蓮根、最後にアクのほとんどない人参の順に炒めます。こうすることで、お野菜のアクのみが飛び、野菜の旨味を残すことができます。砂糖やみりんなどの甘みは足さずとも、お野菜の甘みたっぷり。しっかりお野菜を炒め、お野菜の旨味が逃げないよう蓋をずらして昆布出汁で煮ると、最後にはとろ〜っとした甘みのある美味しいきんぴらに。お醤油だけでこんなに甘く!と誰もが驚く美味しい一品の出来上がりです。

今回は季節が秋ということもあり、蓮根の量を多めにしたレシピをご紹介していますが、それぞれの量は自由自在。ちょっと便秘気味だなぁなんて時は牛蒡の量を増やしたり、貧血気味かも?なんて時は人参の量を増やしたり、体の声に合わせて調理してみてください。

蓮根と人参、牛蒡のきんぴら

【材料】 (2人分)
・蓮根 50g
・人参  25g
・牛蒡 15g
・醤油 小さじ1
・胡麻油 適量
・昆布 3cm ×3cm角

 

①蓮根はいちょう切り、人参、牛蒡は斜め細切りにする。

 

②鍋に胡麻油を熱し、牛蒡、蓮根、人参の順に炒める。この時炒めながら牛蒡、蓮根のアクを飛ばすよう、しっかり炒める。

③水をひたひたより少なめに入れ、昆布を入れ煮る。

④野菜が柔らかくなったら、醤油を入れ煮切る。

 

 

◆専門家プロフィール◆


中島芙美枝

美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram @fumie_nakajima