夏のコロッケ

旬を食べる

暦の上では立秋を迎え、8月も終わりに近づいてきましたね。元気な夏野菜がお店に並ぶ季節も残りわずか。胡瓜やピーマン、ミニトマト、ズッキーニ、トウモロコシに枝豆などに混じり、秋の始まりを告げる南瓜などを見かけるようになってきました。「身土不二」という言葉があるように、身体(身)と環境(土)は切り離せないもの。今や年中ありとあらゆるお野菜が手に入るようになりましたが、その土地でとれたものをその旬で食べるということを意識したいものです。

さて、今回は、そんな季節のお野菜を使ったお弁当の定番!子どもが喜ぶお弁当メニュー、コロッケをご紹介します。

 

子どものために「旬」を入れたお弁当を

大人のお弁当よりも難しいのが子どものお弁当です。好きなものばかり入れると偏ってしまう、好き嫌いなく食べて欲しい、楽しく食べて欲しい、完食して欲しい…、親としては色々な思いをお弁当と一緒に詰めこんでしまうもの。オススメは、季節のお野菜を一品は入れること。旬のお野菜の栄養価はそうでないものに比べてアップするとも言われ、何よりもその季節を生き抜く生命力に溢れています。さらに、子どもがお野菜から季節を感じられるようになります。何時でも何でも手に入る便利な時代だからこそ、季節のものを意識して伝えることができれば素敵ですね。

コロッケといえばじゃがいも

大人も子どももコロッケが大好き!中身はなんであれ、コロッケというだけでテンションが上がります。春には筍、秋には南瓜、冬には蓮根…など、じゃがいもをベースに季節の野菜を練りこんだコロッケは、子どもが大好きなお弁当メニュー。じゃがいもを頂く時はしっかり皮をむいて調理しましょう。芽はもちろん皮の部分にも毒が含まれていることがあります。特に小さいお子様には注意が必要です。

 

夏のコロッケ

夏は新鮮な「豆」の季節。枝豆を収穫せずに秋まで待ち乾燥させたものが保存食として、お味噌や醤油など大活躍の大豆です。今しか味わえない枝豆を、コロッケにしていただきます。このコロッケのポイントは味付け。調味料ではなく赤紫蘇で味付けをします。梅干しから取り出した赤紫蘇や、赤紫蘇の塩漬け、ふりかけなど、夏らしくさっぱりとした味付けは子どもにも大好評。栄養価アップのため、ひじきも忍び込ませます。単品だと敬遠されがちなひじきも、こうすることで子どもでも美味しく食べやすくなります。残り物のひじきの煮物を使うのもよいですね。

【材料】 (4個分)
・じゃがいも 小2個
・玉ねぎ 小1/2個
・枝豆 100g (鞘付き)
・ひじき(茹でたの) ひとつかみ
・赤紫蘇小さじ1 (無い場合はゆかりでも)
・地粉 適量
・パン粉 適量
・菜種油(揚げ油) 適量

 

①枝豆は茹でて鞘から取り出し茹で、玉ねぎはみじん切りにして炒める。

②じゃがいもは皮をむきスライス、柔らかく茹でてマッシュする。

 

③②と①、ひじき、細かく刻んだ赤紫蘇と合わせる。

 

④4等分し成形。水で溶いた地粉にくぐらせ、パン粉をまぶす。

 

⑤180〜200度の油でカラッと揚げる。

 

ソースはなくても十分美味しいですが、トマトソースやケチャップなどをかけても美味しくいただけます。

 

◆専門家プロフィール◆


中島芙美枝

美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram @fumie_nakajima