大豆そのまま!大豆のまるごとから揚げ

お肉の代わりに大豆はいかが?

皆さん、お弁当のおかず、といえばなんですか?卵焼きやウィンナー、鮭の塩焼き…。私が、子どもの頃のお弁当の大好物は鶏の唐揚げ!揚げたてとはまた違う、ちょっとしっとり、お弁当の風味も重なった唐揚げはなんとも言えない美味しさだったのを覚えています。

飽食の時代となった現代、普段、手に入るお肉が必ずしも安全とは限りません。動物が本来の姿とは程遠い環境で飼育されていたり、抗生物質やホルモン剤、動物が食べている餌の質…など、気になることが多いのが現実。そこで、たまには「畑のお肉」とも言われる大豆を使った唐揚げをお弁当のおかずにいかがでしょう?今回は、大豆のまるごと唐揚げをご紹介します。

 

大豆のとりかたの色々

納豆、お味噌、醤油、お豆腐、豆乳…、私たちの食生活とは切っても切り離せないこれらの食品は、すべて大豆からできています。納豆は大豆を発酵させた発酵食品、お味噌やお醤油も同じく大豆を麹菌で発酵させた調味料です。

東洋医学の背景には「陰陽説」というものがあります。これは、あらゆるものには陰と陽のふたつのエネルギーがある、とする見方です。食養の世界も然り。このふたつのエネルギーのバランスを考えます。

お味噌やお醤油は、大豆という陰性のエネルギー(冷やしたり緩めたりする性質)に、陽性のエネルギー(暖めたり縮めたりする性質)を持つ塩と時間をかけ、バランスが整ったもの。ほんもののお味噌は体を暖め、元気にする力があります。お豆腐や豆乳は、大豆から水分を取り出し、大豆の一部をいただくもの。こちらは、どちらかというと、大豆よりさらに陰性、体を冷やす、緩める性質に傾くと考えられています。自分の体調や体質、食べ合わせに応じて、いろいろな摂り方ができるのも大豆の特徴です。

 

畑のお肉 大豆

大豆といえば、そう、その豊富なたんぱく質。「畑の肉」とも言われる良質のたんぱく質を含むことで有名です。そして、女性ホルモンに作用するイソフラボンを含み、女性特有の不調にもよいと言われています。大豆ミートなどの加工食品を唐揚げにするのが一般的ですが、大豆そのもので唐揚げにするとまた別格の美味しさです。

 

大豆を茹でてみよう!

水煮の大豆を使うのも良いですが、もし圧力鍋があるようなら、ぜひ、自然栽培やオーガニックの良質な乾燥大豆を茹でて作ってみてください。大豆の甘みが存分に楽しめます。また、お味噌などの調味料を作る時は柔らかく茹でる大豆ですが、ここでは歯ごたえを楽しむために、少し固めに茹でるのがオススメ。大豆は陰性のエネルギー、上にいく力が強いので、茹でこぼしに気をつけてください。

【大豆の茹で方】
・大豆はよく洗い、3倍量の水に一晩浸ける。
・圧力鍋に入れ、火にかける。
・圧がかかったら5分、火を止め、圧が下がったらできあがり。

*大豆の鮮度や種類により、加圧時間は調整してください。

 

大豆のまるごと唐揚げ

【材料】 (8個分)
・大豆 乾燥100g / 水煮230g
・にんにく、しょうがのすりおろし 各小さじ1
・地粉 大さじ1
・醤油 小さじ1 1/2
・塩 小さじ1/2

① 茹でた大豆をフォークなどで粒が残る程度にあらく潰す。

② ①と醤油、塩、にんにく、しょうがを混ぜ合わせる。

③ ②と地粉を合わせ、ひとくち大の大きさにまとめる。

④ 地粉をまぶし、油でからっと揚げる。

 

◆専門家プロフィール◆


中島芙美枝

美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram  @fumie_nakajima