春の雑穀むすび・おかずむすび

からだが喜ぶごはん、食べていますか?

日々の生活に追われ、なかなか普段の食と向き合うのが難しい現代。からだが喜ぶ食生活を、お弁当の一品から始めてみるのはいかがでしょうか。ありのままの自然の恵みに、ちょっと手をくわえるだけで、美味しく、見た目にも綺麗で、食べている時間が楽しくなるような「からだが喜ぶお弁当」ができあがります。

このコラムでは、大切な人や家族、自分のためにつくるお弁当で、からだに少しいいことができる。ちょっとした食の見つめ直しができる。そんなお弁当の一品をお伝えできたら、と思います。

春の行楽に!玄米おむすび

桜の季節から新緑の季節にうつろい、ポカポカと春の陽気を感じるようになってきました。これからの行楽シーズン、お弁当を持ってお出かけする方も多いのではないでしょうか?今回は玄米の炊き方、そしてこの季節にぴったりの玄米おむすびをご紹介します。

どうして玄米?

一物全体という考えがあります。部分ではなく全体をいただく。たとえば、人参であれば多くの方が想像する橙色の根っこの部分は、あくまで人参の一部に過ぎません。しかし、その上にある人参の葉も含めて、人参は生命を保っている。全てをいただくことでその人参の生命そのものをいただくことができる、ということです。

「日本人の主食であるお米も同じ。精白した白米ではなく全体である玄米をいただきます。」
玄米は栄養的にもバランスのとれた状態です。白米は米から外皮、胚芽の部分を取り除いたものですが、この胚芽、外皮の部分にこそ、ビタミンやミネラル、繊維質が含まれているのです。そして、何より玄米は命そのもの。白米から芽が出てくることはありませんが、玄米は適切な状態で浸水しておくと発芽します。次の命をうみだすほどにバランスよく、生命力に満ちているのが玄米なのです。

玄米ご飯を炊いてみよう

玄米というと、硬くて、おいしくない…なんてイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、おいしく炊けば噛むごとに美味しい、味わい深いものです。玄米ご飯には色々な炊き方がありますが、炊飯器ではなく是非土鍋や圧力鍋で炊いてみてください。炊飯器の方が早くて楽!と思いがちですが、炊飯器よりも時間がかからないことも多く、想像以上に簡単に、そして格段に美味しく炊くことができます。

玄米ご飯の炊き方

【材料】4人分
・玄米2合
・水 およそ450cc (お米の1.2〜1.5倍)
・海塩 ひとつまみ

手順
①玄米を洗う
ボウルに入れ、やさしく2-3回すすぎ洗う。蛇口の水は直接入れず、手を介してやさしく入れる。「おがみ洗い」でやさしくもむように。お米の汚れ具合によって回数を増やす。

②玄米を浸水する。
①をザルにあげて一旦水気を切り、分量の水をはる。夏は3時間以上、冬は8時間以上浸水する。

③浸水した玄米を水ごと鍋に入れ、水の量を必要に応じて調整する。(お米の種類や季節により水の量を調整してください。)

④海塩を入れ、中強火にかける。鍋の蓋はせずに1分ほど沸騰させアクをとばす

⑤蓋をし、蒸気が上がってきたら弱火にして炊く。

*土鍋の場合、内蓋のあるものは40分ほど、内蓋のない土鍋は40〜60分。
(土鍋の特性により20分ほどで炊けるものもあるようです)
*圧力鍋の場合、圧がかかってから20分

⑥火を切って15分ほどそのまま蒸らす。

⑦蓋をあけて天地返しをする。

 

旬のお野菜をおむすびに

春は生命力溢れる野草がぐんぐんと育つ季節。ヨモギやフキ、筍など大地の力を少しずついただきましょう。また、新生活の疲れが出てくる時期でもあります。リフレッシュに少し酸味のあるレモンや梅酢などを加えたり、菜花やインゲン、スナップエンドウなど春のお野菜、旬のわかめやひじきなどの海藻を摂るのがおすすめです。今回は、そんな春の恵みをぎゅっとむすんだ、おむすび2種をご紹介します。玄米のおむすびは白米に比べて少し崩れやすいので、水分を普段より少しだけ多めにして炊くとよいでしょう。

『春の雑穀むすび』

暖かくなってくるとお米に麦をまぜて軽くします。黒米を混ぜて炊くと、見た目にも可愛らしく。気分がすっきりする梅酢を加え、赤紫のおむすびのできあがり。

【材料】(おむすび約6個分)
・玄米 2合
・黒米 大さじ1
・麦(はと麦、もち麦など) 大さじ2
・グリーンピース(スナップエンドウなどでも) さや付きで150g
・梅酢 大さじ3

①玄米に黒米、ハトムギを入れ、炊く。
②グリーンピースは豆を取り出し、さっと塩で茹でておく。
③炊き上がったご飯に、②、梅酢を混ぜ、むすぶ。

 

『春のおかずむすび』

今が旬の菜花に胡麻、ひじきで、ミネラルたっぷり。

【材料】(おむすび約6個分)
・炊いた玄米 2合分
・菜花(小松菜などでも) 1/4束
・白胡麻 大さじ2
・ひじき 乾燥大さじ山盛り1
・海塩 少々
・醤油 少々

①菜花は海塩を入れたお湯でさっと茹で、塩を軽くふっておく。
②白胡麻は香りよく炒り、ひじきは茹でて醤油で味をつける。
③炊いた玄米ご飯に細かく刻んだ①、②を混ぜてむすぶ。

 

◆専門家プロフィール◆

中島芙美枝

美味しく、楽しく、美しい、「ほんもの」の食を。
北海道生まれ。ニューヨーク、東京でのメディア会社勤務を経て、食の道へ。やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学ぶ。自然栽培のお野菜や手作りの発酵調味料を使い、季節や体調に合わせたからだを整える食を提案。お弁当、社食、料理教室など活動。やまと薬膳初級講師。
Instagram  @fumie_nakajima